慢性腎臓病患者の住宅ローンについて

今回、住宅ローンに申し込みを行い、結果が出ましたので
皆様の参考になればと思い、ブログを書くことにしました。

ネフローゼ患者が住宅購入!?

住宅購入を考えたワケ

実は8月頃より住宅の住み替えを考えており、
このたびついに購入することになりました。

今まで賃貸に住んでいたのですが、
その賃貸が来年に『建て壊し』となることが決まり、
新しい住処を探していたのです。

もう一度賃貸に住むことも考えましたが
先々のことを考えると、
早めに住宅購入した方が将来のことを考えると
早めに支払いが終わり、安心して暮らせるかなと。

元々、ニャンズもいたため一生賃貸に住む気持ちはありませんでした。
病気が落ち着いていて、一番バリバリ働けるうちに
ローンを組もうと考えました。
ネフローゼ再発したらローンが当分組めないだろうと踏んでいたため)

結婚予定の恋人もいますが、
家の購入は自分がしたかった。何かあったときに自分の財産であることが
安心材料になる。
一生賃貸=一生住まいのお金が必要ということ。

そのため、中古一戸建て購入を決意!
もちろん、固定資産税もメンテナンス費用も掛かりますが
賃貸を移り住むよりは…と。
いざとなったら売れますしね。

しかし…問題は…

ネフローゼ患者は住宅ローンを組めるのか

そうです、住宅ローンにつきものである
団体信用生命保険(いわゆる”団信”)

この団信、
通常の生命/医療保険より審査が厳しい!
と言われています。

【一般的な団信告知書 質問例】

  • 告知日より3ヵ月以内の治療や投薬歴の有無

  • 告知日より3年(または5年)以内の手術、治療、服薬歴
    (※高血圧症や糖尿病など、保険会社が指定する病気)

  • 身体障碍の有無
    (※手・足・指の欠損や言語・咀嚼機能の障害など)

  • 1年以内の健康診断にて指摘・指導の有無
    (※経過観察も含む)

なお、”保険会社が指定する病気”には多くの種類があり、
指定難病やガン等幅広く書かれていました。

腎臓病の場合は・・・
・腎炎 ・ネフローゼ ・腎不全 ・のう胞腎
が告知必要事項として挙げられていました。

一般団信チャレンジ

団信の告知義務

住宅ローンを組む時は、
銀行が指定する団体信用生命保険への加入が必須となっています。
フラット35を除く)

団信に加入してると、
・主債務者が死亡または高度障害になったとき
保険会社より保険金が下り、
その後住宅ローン返済が免除となります。

最近は団信の中にも
”がん団信””3大疾病団信”など、指定の病気と診断された際に
支払い免除となるものも多く出されています。

団信に加入する際は
上記にあげたような告知書の提出が必要になります。
この告知内容に誤りがあった場合、
・死亡または高度障害になった場合も保険金が下りない
・悪質の場合、一括返済を求められるケースも
と、恐ろしい事態になります。

実際に使用した告知書

そして、この告知内容・・・

告知日より3年(または5年)以内の手術、治療、服薬歴
(※高血圧症や糖尿病など、保険会社が指定する病気)

素人から見ると、
例えば、ネフローゼでも寛解中で服薬無しであれば
最後の服薬から3年経っていれば、
申告しないで良いように感じます。

しかし!
定期健診で通院、検査している場合は告知が必要
なんです!

私の告知ケース

病名:ネフローゼ症候群(微小変化型)
初診日:2014年5月
入院期間:2014年5月~6月
服薬終了:2015年5月
以後、半年に1回検査通院(血液・尿検査)
合併症・再発・血液/尿検査異常なし

↑この内容で告知が必要になるんです
(正確に答える必要ありのため病院に問い合わせた)

ちなみに、膵胆管合流異常の方は告知不要でした。
(通院は続けているが、告知必要項目にない病気なので)

つまり、保険会社の考えでは
『半年に1度の通院が必要』=『半年に一回通院してくれと言う医師からの指導』
に当たるとのこと。
医師からの指導があるという事は
まだ治療中という考えらしい。(?)

一般団信の審査結果について

結果、通常の団信はすべて落ちました。

申し込んだ金融機関は
・メガバン ・都市銀 ・信用金庫 ・ネット銀行
と、わりと多く出しましたので、
団信の保険会社も4社くらいは審査してもらいました。

JAや中央労金、フラット35の団信は
金融機関提携の団信に比べると
比較的ゆるいとは聞いていますが、
申し込みをしていないので実情は不明。

ワイド団信チャレンジ

一般団信が無理なら、ワイド団信

正直、通院しているものの
もう5年以上、異常なしなのに全部落ちるなんて。
とショックでしたが

フラット35で『団信加入無し』で申し込むのも
やっぱり嫌でした。
まずフラット35は金利が高い。
団信に加入しないという事は
私が突然死んでも、家族にローンを支払ってもらわなくてはいけないという事。

一部の金融機関では取り扱い無しですが、
ワイド団信
という持病があっても入りやすい団信に申し込むことに。

【ワイド団信とは?】
・緩和型の団体信用生命保険
・死亡/重度障害時にローン返済免除
金利上乗せ0.2~0.3%が相場
・主な取り扱い会社は
 クレディ・アグリコル生命、カーディフ生命等

ちなみにこのワイド団信、
通常のワイド団信よりある程度緩和されますが、
緩和型医療保険よりはやはり厳しいみたいです。

Twitterでいろんな方に調査を行いましたが、
ネフローゼや精神病など、服薬が続いている段階だと
謝絶されてしまうケースが多いようです。

ワイド団信の告知事項は?

告知書の内容は基本的に通常の団信と同じです。

審査期間は1週間~2週間程度かかりました。
ワイド団信に告知書提出後、
私の場合はさらに『1年以内の健康診断書』が必要と連絡あり。
(全ページの提出)

健康診断結果は
・血圧【B】 ※低血圧 90/54
・尿【B】 ※尿蛋白+-
・腎機能【B】 ※eGFR 88.7(L)

ということでB判定が3つある状況でした。
一応、基本的にはC判定から「経過観察が必要」とか
「再審査必要」になるため、大丈夫のはず。

と思いつつも不安でした。

ワイド団信結果は・・・

無事、審査に通りました!

健康診断書を提出後、
さらに待つこと1週間ほどで審査通過の連絡が。

地銀&メガバンで通りましたので、
基本的に同じような条件ならどこのワイド団信もOKの気がします。

 

結論

結論:
慢性腎臓病患者でもワイド団信+寛解状態なら
住宅ローンが組める可能性あり

ただし、団信に関しては原則、
普通の金融機関の”事前審査”のように
購入前の審査というものが出来ません。

フラット35 団信加入無しでローンを組むことも視野に入れて、
フラット35S適用物件を選ぶことをオススメします。

頭金もあまり出せない、
フラット35S適用物件でもない、
となると、金利が1.4~1.7%くらいになります。

一般的な金融機関の金利+ワイド団信上乗せでも
1.0%未満でローンが組める時代に勿体ないので…

今後住宅購入を検討している方の参考になればと思い、
書きました。

さち

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