難病ネフローゼと恋愛
生涯治らない病気を抱えていると
何かと悩むことの多い「恋愛」「結婚」「出産」
私はネフローゼ発症当初、
同じ大学で、同じ地元に住む恋人がいました。
ちなみに当時の私は極端に精神環境が不安定であり、
「彼がいなきゃ生きていく事が出来ない!」という状況でした。
病気の発覚、入院中の付き合い
ネフローゼと診断された6月頃、
彼とは付き合ってちょうど半年を過ぎた頃でした。
夏目前にして、いろんな遊びをしたい年頃。
入院までは力強く励ましてくれたり、
「毎日お見舞いに行くよ!」と言ってくれていました。
ですが実際に入院してからと言うものの
・約束の時間にお見舞いに来ない
⇒寝てた、バイトが長引いた、部活が長引いた…等々
・前日に突然、明日はお見舞い行けない
・連絡が全然帰ってこない 等々
本当に寝ていたのか?バイトが長引いたのか?
確認なんて出来ません。
アッという間にかなりの溝が生まれました。
そもそも
彼の自宅から私の入院している病院までは片道1時間以上。
交通費もそれなりにかかりますし、何よりも彼女のお見舞いって、そんなに楽しいものじゃなかったんでしょうね。
そしてある日大喧嘩が起きました。
理由は・・・
男友達がお見舞いに来たのに、私がノーブラだったから(笑)
もちろん、キャミソールの上にパジャマを着ていましたよ?
正面から普通に話していれば、気付かないようなものです。
何故知られたかというと、病院でのお風呂準備の会話の中で何も気にせず、入院中はブラジャーなんて着けないよ、と話したからです。
すると
「は?お前ブラジャーもしないで男と話していたのか!?」と。
多分、女の人にとってブラジャーってどれだけ窮屈なものか、分からなかったんでしょうね。
点滴を刺している時は腕を曲げられないから着けにくいし、不眠症の寝不足で日中もベッドで横になりたいから…
と伝えても、全く理解されませんでした。
それよりどうして遅刻したのよ!嘘つき!約束破ってばっかり!と私も反撃…
そんなこんなで喧嘩したり、責め合ったりしつつも、なんとかお付き合いが続いたまま退院となりました。
退院後のお付き合い
退院後も私はステロイドとの相性が悪く、
憂鬱な気持ち、攻撃的な気持ちになるなどの精神症状や身体が怠くて遠くまで外出出来ない…
という状況が続きました。
元々厳しい両親+病気の事が重なり、私は18時頃には帰宅…という門限がありました。
でも彼はコンビニの夜勤バイトをしており、毎朝6時頃にはバイトが終わり、
帰宅してから寝る…というスケジュール。
私とは完全に生活リズムがズレていました。
これが健康なカップルであれば
17〜18時頃には待ち合わせして、
お買い物&夜ごはん…というデートも出来たでしょう。
ですが、私の体調を心配する両親をよそに夜まで遊ぶなんて事出来ません。
体調が悪くてデートが出来ない、ステロイドの飲み忘れや持ち歩き忘れで体がだるくなり、取りに一旦帰るというと「もう今日はいいよ!」となったり。
「もう毎日暗い事ばかりで嫌だ!こっちの気が滅入る!もうしばらく笑った顔を見ていない!」
と言われるも…
まだ病気になってから数ヵ月。一生治らない病気。
無理に毎日元気に振舞えない。
しばらく暗く落ち込ませてくれ…そんな気持ちだった私。
日に日に関係は悪化していきました。
結局最終的には
「もうだいぶ前から好きじゃなかったのに、さちが病気だったから同情で付き合ってた」
と言われ、フラれてしまいました。
病気が直接の原因で別れたわけじゃない、でも確実に溝が深まる原因だった
私たちの場合、例えば
「病気の女なんて嫌だ!」とか
「病気の女なんてメンドクサイ!」とか
そういう風に思われて、別れたわけじゃありませんでした。
たしかに、病気が直接原因で別れたわけではない。
でも、病気が着実に溝を作っていきました。
お互い若かったという事もあるかもしれません。
・病気が発覚後、私の性格が暗くなった
・会える時間が少なくなった⇒ゆっくり話す時間が無くなった
・デート場所や時間に制限がありすぎた
・病気に対する理解がお互い足りていなかった
などなど…
いろんな原因が思い浮かびます。
その後の話
何年かして、当時の彼と話す機会がありました。
その時に言われた言葉がとても印象的でした。
「当時の自分はとても子供で、とにかく構ってほしくてもっと甘えたかった。
自分の思い通りにいかず、一緒にいたい気持ちが薄まっていった。
だからと言って傷つけて良いものではなかった。ごめんなさい。」と。
彼とは喧嘩別れみたいな感じでしたが、その後和解しました。
久しぶりに会った時に、平謝りされた事を覚えています。
『ずっと許せない人たち』はいますが、彼の事は許すことが出来ました。
私も病気といえど、本当に自分の事ばかりでしたから。。
当時の彼と別れた後、何人かの男性とお付き合いしましたが、今はとても素敵な人に出会うことができて、毎日安定した日々を送っています。
当時一番つらかった時38kgまで落ちた体重は
現在5○kgまでがっつり回復しました。
そんな太るくらい、今はなんとか幸せに生きています。
病気を抱えながら恋愛すること、きっと簡単じゃないと思います。
だからこそ、病気を抱えつつも恋人と仲良くしている方々を見ると「すごいなぁ、素敵だなぁ」と思います。
病気を抱えていても、よく話し合い、お互い(病気も含め)理解しようと頑張れる関係が良いですね。
病気を抱えると、時間の制約・出かける場所・食べるものなども色々と制限されてしまいます。
それを『窮屈』とは思わず、一緒に楽しめるような2人が理想ですね。
みなさんが素敵な恋愛を楽しめますように。
大切な人と永く一緒に居られますように。